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コラム 発芽伊太郎の発明日記
1. 願書・明細書の用語と記述
 
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(発明・特許で悪戦苦闘してきた、全くの素人じいさまの体験を書いております。専門的な知識については発明協会の発明相談などを利用され、間違いの無いようにお願い致します。)

1.1の続き

  耳栓のなかに、圧縮すると徐々に膨らんでゆっくりと形状を復元するスポンジのモノがあり、耳栓としての遮音性能が極めて高い。(低反発樹脂のスポンジだと思うが、ワシャ技術的なことはようわからんので「徐々に形状を復元するスポンジ」と表記した。
 低反発樹脂のスポンジ以外でもスポンジの周囲に柔軟な皮膜を形成し、当該皮膜に小さな孔を開ければ同様の効果、すなわち徐々に変形に対し徐々に形状を復させることができると思うので、低反発樹脂以外のスポンジを含め、かつ、単なるスポンジではないことを明記して技術的特徴を明らかにしたつもりなんじゃ。
  又、スポンジが空洞を有する泡状のものの集合体で有り、当該泡状空洞が連結されているか前記泡状空洞が単独で独立しているかも問題であって、それにより素材の性質は全く変わってしまうので単独発泡体、独立発泡体などと記載する。
 スポンジという文言自体が不明確だとして海綿状体と記載することもあるが、広辞苑によればスポンジは次のようである。
 スポンジ【sponge】
〓海綿。
〓あかすり・食器洗い・クッションなどに使う海綿状のゴムまたは合成樹脂製品。
〓スポンジ‐ボールの略。
とある。
 特許庁によれば、いくら辞書に載っているからといってその通り解釈されるのではなく、明細書や図面の記述、あるいは出願時における業界の技術的解釈等総合的に解釈されるものである。?

2.独特の文言
 はじめて、他人の書いた明細書を読んだときは、なんだこりゃ!、日本語で書いてくれよと思ったモンじゃ。何を言っているのかさっぱりわからん。
 1で書いたように、前記何々とか、当該何々とかいう表現や、前述の内容を何度も繰り返しながらくどくどと書くこと以外にも、独特の表現がなされている事もわかりにくさに拍車をかける。
 しかし、これも慣れてくると実にわかりやすく、実態を十分に伝え、間違いの起こりにくい表現であることが納得できるようになるから不思議というモンじゃ。
 どんな文言が使われるかというと、例えば、モノとモノとの関係・連結・結合等について、例に取ると次のようである。
 接合、嵌合、接着、止着、、溶着、遊着、遊嵌、縫着

握持 (あくじ)      握るように支持する。
握着 (あくちゃく)    握るような状態でくっつけること。
圧接  (あっせつ )  圧力を加わわって部材間を接触させる。
圧着  (あっちゃく)  圧力を加えることにより、部材相互を固定する。
圧締  (あってい)   貼り合わせ、圧し固定すること。
圧入  (あつにゅう)  圧力を加えて押し込むこと。
延設 (えんせつ)    延びて設けられること。
掩塞 (えんそく)     塞ぎ隠すこと。
掩覆 (えんぷく)    被せ隠すこと。

縫合 縫い合わせること。

嵌設 嵌め設けること
環装 環状に取り付けること。
嵌入 嵌め入れること。
貫入 貫いて入れること。
貫装 貫いた状態に取り付けること。
嵌装 嵌めた状態に備え付けること。
緩装 緩やかに取り付けること。
嵌着 被せるように取り付けること。
嵌通 通り抜けるように嵌めること。
関着 かんぬき状に固定すること。
貫入 貫いて入れること。入れること。
嵌入 嵌め入れること。



 
 何時になっても先に進めないので、ここで止めます。

造語
 技術系のひとにとっては当たり前のことかどうか知らんけど、ものが動くように取り付けることを遊着というのには感心したゾネ。

 用語については「特許技術用語集 日刊工業新聞社 大都孝嗣氏編」に詳しい。
 ワシの使った語彙の中に「包持ー包むようにして支持する」があるが該特許技術用語集には載っておらん。
 広辞苑を当たってみたが載っておらんかった。ひょっとしたらワシの作った言葉かもしれん。
 古い明細書を見ていると辞書に載っていない文言がやたら多い。これは、その構成・状態を正確に表そうと必死で考え出したものじゃろうて。
 図面で書けば簡単なことなんじゃが、特許は請求項に書かれた文言でなされるからやっかいというもんじゃ。
 技術・構成そのものが創作されておるんじゃから、これを適切に表す言葉も無くて当たり前と言える。創作された技術を的確に表そうとすると、それを表現すべき文言も創作されてしまうと言うことになる。
明細書には造語がやたら多い。
 
 かくして、新しい語彙が創出されるのだが、中にはどんなことを言っているのかようわからん奴も存在する。文字一つの意味を調べ、継ぎ合わせ、図面と照らして見て初めてああそうかというのがある。
 技術を正確に表現するために造語をするのだから、結果として分かり難くては困る。ましてや、広辞苑に載っている言葉で通じるのであれば、その文言で表現すべきであることは言うまでもない。

 何やら素人のじいさまが、偉そうにい言ってしまった。
 おしまい。

名古 裕一郎先生の【特許明細書・用語考】はわかりやすく、勉強になるぞね。
是非、みてみて下され。
http://soei.com/wordpress/wp-content/soeidocs/voice/44meisaiyougo.pdf#search=%27%E5%B5%8C%E7%9D%80+%E6%84%8F%E5%91%B3%27




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